HOME
>
日本唯一のトロリーバス
> メカと構造
平成5年にデビューした300型トロバス。心臓部である制御装置は、従来の抵抗制御弱界磁方式から電圧と周波数を変化させてモーターをコントロールするVVVFインバータ制御方式に変わり、トロリーバスでは初めて導入しました。主電動機、補助電源装置等は、最新の技術を取り入れています。屋根の上にはトロバスならではの集電装置(トロリーポール)がにょっきと二本伸び、観音開きの扉を開けるとそこはハイテクの世界、複雑な電子回路がぎっしりと積み込まれているのです。このページでは普段見ることの出来ないトロバスのメカや構造をご紹介します。
集電装置は、トロリーポール摺動式を採用し、押上力9kg(標準)で使用して良好な架線追従性を有しています。
レトリーバ一は、トロリーポールが架線から離線した時にロープにより自動的に巻き取り、付帯設備の損傷を未然に防止しています。
集電装置先端部
レトリーバー
電車でいう所の「パンタグラフ」と同じ役割を果たす集電装置
フロント
リア
現在、扇沢駅ー黒部ダム駅間で運行されている300型車両は、リベットレスのスケルトン(骨組み)構造のボデーをシャシフレームに組み付け、車内は明るい配色と大型窓を採用し、内外をすっきり見せるデザインになっています。
サイド
車内客室
ソフトな乗り心地を求め路面にマッチした板バネとアブソーバを使用し、客室は2人掛け、1人掛けのクロスシート配置しています。
黒部の路線環境にあわせてセッティングされた、カスタム仕様のサスペンション部
運転席前面に故障情報及び機器動作情報の表示を設け、機器の異常情報を敏速に把握できるようになっています。表示灯類は、LEDの採用で保守性の向上を図り、スイッチ類は操作性を考慮して集約されています。前面および右側面ガラスは、デフロスター(電熱線)を設け運転視界の向上を図り、背面仕切り板に窓を設けて客室から前方を望めるようにしました。暖房は、100V/250Wを2個設けて居住性を高めました。運転操作には、大型バス用のパワーステアリングを採用し操舵をアシストしています。
動作状況の表示を運転席前面に集約したレイアウトを採用しているため、乗務員室はすっきりした印象を受ける。
乗務員室には操作性を考慮して各部に配置されたスイッチ類が整然と並ぶ。
車体後部のパネルの中に制御装置部は格納されている。
制御方法は、VVVFインバータによる自動加減速制御で、インバータ方式は電圧形パルス幅変調方式(PWM)で出力120kWの主電動機を制御します。主電動機は、三相かご形誘導電動機を用いているので、フラッシュオーバ(閃絡故障)のトラブルがなく信頼性の向上と保守点検の軽減を図りました。制御ユニット基板に故障情報を記憶させてその情報をパソコンにより読み出すシステムを搭載し、機器の異常情報を敏速に把握できるようにしました。
複雑に配線が行き交う制御装置部。情報の伝達には光ファイバーなども使われている。
時速9km/hまでVVVF制御装置による発電ブレーキが動作し、その間においてもペダルの踏み込み量に応じて圧縮空気による制御も可能です。更に安全装置として空気圧がなくなった場合は、後部ブレーキチャンバーのスプリングブレーキが作用して停止するシステムを採用し、より安全性の向上を図りました。
電気式ブレーキの抵抗器。
車体の後部左右に搭載されている。
空気を貯めているボンベ。
スプリングブレーキ付きの後部ブレーキチャンバー。
■
「日本唯一のトロリーバス」コンテンツ一覧
TOP
トロバス豆知識
メカと構造
トロバス名鑑
ペーパークラフト
▲ページトップ